アリスとテレスのまぼろし工場ってどんな映画?
映像が素晴らしい作品
アリスとテレスのまぼろし工場を紹介する時にまず注目するのはMAPPAによる美しい映像です。
単純に背景美術は美しいしキャラクター達も可愛いです。
空に映る煙や工場の寂れた描写は幻想的であり美しく。でも少しホラーチックでもあります。
MAPPAは『呪術廻戦』や『この世界の片隅で」など有名作品を映像化してるんだよ。
進撃の巨人とかボク大好きさ!
抽象的なストーリーが刺さる人には刺さる
本作品は起承転結が綺麗に整理されてないお話であり
一言で語るなら考察系のアニメ作品です。
注意深く場面を考察して初めて意味を理解するお話であります。
ただ一貫して作品が訴えるテーマがあります。
それは冒頭でも紹介した『生きる』ということ『どんな場所でも楽しく生きていける』ということです。
これはコロナ禍で自宅待機を命令された私達に向けたメッセージでもあるだろう。と推察できます。
若者に対する説教臭さ
この物語は上記のメッセージを若者に刺さるように創られています。
狙って描いたであろう場面が観られるのです。
登場人物が誰もが知ってる某有名作品のキャラクターの顔に似ていたり主人公の顔立ちをあえて中性ぽく描いているのがそれです。
主人公が中性ぽい顔立ちをしているのは今時の現代人をイメージしていますし、有名キャラクターをオマージュしたような造形は若者に既親感を抱かせるためでしょう。
このことから制作側が若者(10代~20代)をターゲットに作品を作っているのだと推察できます。
そしてこの作品は各所に大人の都合や大人の情事。
今から思春期を超えて大人になる若者達に向けて
「うわぁ大人ってワガママで気持ち悪くて面倒臭ぇ!」という部分を見せているのです。
『生きる』ということの『面倒臭さ』『理不尽さ』
『お前らのタヒたいという感情はな!社会に出てない狭い世界の井の蛙のモノなんだよ!!』
という説教が見え隠れしているのです。
冒頭のラジオ。主人公とヒロイン情事。宗教を利用して権力を握る嫌なおっさん。そんなおっさんと何故か仲がよかった父親。キーパーソンの女の子とのラストシーン。そして中島みゆきが歌うEDテーマの歌詞。
中島みゆきが歌うEDにこの物語のすべてが籠ってる。と言ってもいいわね。大御所に歌わせるということはそれだけ意味を込めてるだろうしね(メタ的に)
外に出たい若者と今を守りたい大人
映画は基本構成として主人公とヒロインを軸に行進します。
若者は外に出ようと頑張りますが大人達は良くも悪くも現実を守ろうとします。
エンターティメントの定石なのですが
保守的な大人は悪役になり若者が大人の囲いを破り古巣を旅立つ(或いは壊す)ことで完結するのが基本的なストーリティングの凡例です。
しかし、この物語では子供と大人の対立は決着せずに終わります。
殻を破る子供も確かに一部存在するのですが。メインキャラクターの子供達が保守的な考えに引っ張られ大人側に回ってしまいまうのです。
この子供が大人側になったりして立ち位置が変化するのが物語を複雑化している原因の一つでしょう。
大人になるトリガーは恐らく『恋』という感情です。
恋という感情により子供は振り回され結果、大人になり保守的な面倒くさい考えになっていくのです。
このことからも、またもや「恋という感情は面倒臭いものなんだよ。君たちが思ってる程良いもんじゃないよ!」という大人の説教が含まれているのだ思うのです。
思春期という設定自体が絶妙で子供でも大人でもないと言えるよね。
だからどっちにも行ける。子供のように壊して前に進む。大人のように今を大事に守る。
生きるということは面倒臭い。ということだね。
まとめ
というわけで今日は【アリスとテレスのまぼろし工場】を紹介したよ。気になったら観てみてね。
映像が綺麗だしそんなに長時間観るものでもないから気楽に観れるね。1時間50分程度だよ。
美しい映像作品は大きな画面で観ると良いかもね。
最近の映像アニメ作品に言えることだけどクォリティーが物凄いね!ヤシガニ問題とか知る世代だとアニメ作品の進化にびっくりしちゃうよ!
ヤシガニ?なにそれ美味しいん?
ハッピー君世代はもう知らないか。興味があったら調べてみると良いかもね。要はアニメ業界も変わったよねって話だよ。
総評
小説版(原作)だね。映像ではなく文字で読んでみると物語の違った側面が解るかもね。
おしまい
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