ブラック企業で働く介護士の日常。

福祉
この記事はブラック企業で働く介護士の備忘録です。介護のブラック企業でのハロウィンとは、どのようなことをするのでしょうか?ちょっと覗いてみましょう。

ピエロの思い出。ハロウィン編。

Sweet, Food, Halloween, Dessert, Holiday, Orange, Treat

トリックオアトリート!!

酒をくれなきゃ。いたずらするぞ。酒をくれなきゃ。働かないぞ!

ど、どうしたんだよ。ピエロ。なにか嫌なことでも思い出した?

僕はね。この日本の他国の文化を節操もなく取り入れる風潮が大嫌いなんだ。なんで、正月もクリスマスもバレンタインディーもハロウィンもアメコミもハリウッドも軽率にこの国は取り入れるんだよ!!

そ、それが、日本の良いところなのでは?文化に寛容というか……

わかったよ。今日は、僕達。介護士が、軟派な日本文化に踊らされて酷い目にあってきたかを紹介するよ。

なるほど。要は愚痴ね。

 この記事で分かる事。

ブラック企業で働く介護士の日常風景

トリックオアトリート!!

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みなさん。こんにちは。

今年もコロナの影響で仮装大会、大規模な集りは

自粛されがちではあるけれど

ハロウィンを楽しんでいるでしょうか?

今回は福祉業界の人間は

介護業界などでは

ハロウィンなどの行事をどう思っているか?

今回は僕の過去の経験を

踏まえて語ろうと思っています。

結論から言うと

僕を含め

大抵の介護業界の職員は

巷のイベントに対して思ってることは。

「糞くらえ!!」だと言っても過言ではないだろう。

老人ホームでは

世間でイベントがある度に

とってつけとってたかのように

職員をお客様の笑顔のためという大義名分を掲げ。

業務命令で拘束してサービス残業で働かせる企業が多い。

イベントを出汁に

ノーコストでの施設間の人出不足解消。

あるいは、役員達の接待に利用するからです。

私の例を紹介しましょう。

以下は私が数年前にあった出来事。

ノーフィクションの物語りです。

ピエロ。社畜時代の思い出

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ここは坂の上の老人ホーム。年に一度のハローウィン。

イベントが大好きな施設長は

仮装アイテムを経費で買い付けてカボチャのお化けに紛している。

今日は年に一度ハロウィン。

本社が主催するパーティで、

施設長と僕達スタッフ数名で社長の前で芸をしなくてはならないのだ。

まぁ、個人でやりたければやればいいよ。

社長も列席するわけだから粗相があってはならないと

施設長は意気込みは最高潮だ。

問題は、この一大イベント(施設長にとっては)の段取りを

全て私に丸投げしているということだ。

ちなみに今の私のコンディションは

夜勤十三連勤という労基もビックリな超過労働中だ。

人手不足で職員も疲れてている。

ストレスで入院しているスタッフもいるほどだ。

こんな状況で、

何故こんなバカなことをしなくてはならないのか?

直接、施設長に訴えてみたが、『業務命令』という令呪も

ビックリな、強制命令権を発令され、

私は社長を催すイベントの出し物を考えなくてはならなくなった。

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 「業務命令だ!!」 

しかも、私が施設長から、この命令を受けたのは

イベント発表まで残り三日。

なんで、また、こんな土壇場で言うのか?

命令と言われれば従うしかないのがサーヴァントもといサラリーマンの悲しいサガ。

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慢性的な人出不足で

スタッフ一人が

夜勤十三連勤もしている今のシフト状況で

人員も労力も割く余裕があるだろうか?

しかし、当然のことながら

イベントというのは一人ではできないので、

私は陰鬱な面持ちで

他のスタッフに協力や出し物のアイディアを求めに向かった。

事情を伝え、イベントを手伝って貰えないか訪ねて回った。

結果――

「馬鹿じゃないのか!」
「コロす気か!?」
「もし、参加して倒れたら、あんたを労災で訴えるからな!」
「お前が一人ですればいいだろう!」

心温まる言葉だ

 

心がまた一つ摩耗するのを感じながら

私は頭を捻り、考え始めた。
スタッフが

手伝ってくれないことなど分かっていた。
分かっていたが

彼等の言葉を絶対に

忘れないようにと心に刻みながら

他の策を考え始めた。

経費も無い、人手もない、そしてなにより時間が無い。

今ある状況を現実的に受けとめて考えを巡らす。

そして、私は思いついた素晴らしい妙案を。

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貧すれば知恵が出るとは、まさに、このことよ!!

 

要は社長に逆鱗に触れず

問題無くイベントを完遂すればいいのだ。

情報によれば

社長の前で行う演目の時間は

十五分後前後と記載されている。

ならば

ダンスや楽器の演奏など短い演目が適している

と推測できる。

私は歌の上手い利用者を連れて、合唱をしてもらうことにした。


歌一曲の時間など三分から五分だ。

三曲歌ってもらえばお釣りがくる計算。

利用者が自発的に歌いたいという声明を

イベント時に

みんなの前で公表してしまえば『利用者様』である彼等に

文句をつけることなど、社長といえど出来ない。

我ながら非の打ちどころのない

完璧な作戦だと思い、

利用者に根回しをして、

歌いたい曲を聴き、

イベントに向けて動き始めた。

準備万端。勝った!

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 だが……。

「地味だ!」
施設長に報告し、開口一番、駄目出しされた。


「派手さにかける。面白くない。そんなの駄目だ」
なにもしない癖に意見だけはしっかり言う。上司の鏡だと思う。

だが、私も長年

介護業界で生き残ってきた男。

状況を想定していた私は

施設長に

時間が無い事と

利用者が強く参加したがっているという(嘘)を報告した。

イベント日まで残り二日。

新たに代案を考える時間は無い。
施設長がこの出し物を承諾する以外に無い。

一度否定した意見を

肯定するのに抵抗があるのか?

施設長は渋い顔をしたあと受諾する。

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利用者はレクやディで歌の練習も行っていることだし。

仕込みは万全。

これで音響をパーティ会場の

スタッフにお願いしてもらえれば万事上手くいく

「それで、パーティではカラオケの曲を流してもらえるようにお願いしたいのですが」
 

歌の出し物である以上

音響を流すのは当たり前。

会場に響く程の大音響は難度は高いが

幸い我が社はカラオケ店舗を何件も経営している。

楽勝だろう。


駄目だ。そんなものTUTA〇で借りて君が用意すればいいだろう?
 

施設長の返答は、否定的なものだった。

いやいや

音響設備が整っているのだから

使えば良いだろう。

今時CDコンポの音響など

広いパーティ会場に

適さないことなど

小学生でも分かることだ。

しかし施設長は。

「君、会場のスタッフ達は忙しいのだよ!そのような我々で準備できる雑事をさせることができるわけないだろう!」


「いや、でも……CD音源には音量にも限界がありますし。耳の遠い利用者には聞こえないのでは……」


「知らん!」

何故か半ギレして、煙草を吸いに行く施設長。

聞く耳をもっていないようだ。

僕達現場職員だって忙しいのに。
取り残される私は、仕方なくCDを借りに行くことになった。

そして、当日。

結果から言ってCDを借りに行くこと自体、無駄だった。


何故なら、直前になって、施設長が心変わりして、

会場の音響係に打診したからだ。

私は無駄にCDを

借り1000円近い出費、貴重な夜勤明けを

潰してしまったらしい。

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当日。

棒立ちした状態で、無言で靴の上を眺めて心を落ち着かせる。

ここで、壊れてはいけない。

私には、夜勤明けのコンデションで

会場までお客様と無料酒を飲みに行くスタッフを送迎するという任務があるのだ。

介護のプロフィショナルとして、心を乱すわけにはいかない!(介護関係ない気がするけど)

会場に到着。

パーティ会場では

多くの社員がすし詰めで座らされ。

奴隷船のように押し込められ。

料理は何日か前の作り置きを

冷凍庫から出したのだろう。

ハエが少し集っている。

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コロナが流行ってる今では考えられないよね。

事情通から聞いたが、このパーティ。

要は、会社が経営している居酒屋の残飯処理も担っているのだそうだ。

社員パーティをするという名目で

強制的に社員から給料1000円を天引きする会社なりのコスト削減なのイベントなのだろう。

ちなみに参加しなくても徴収されるので

経理に聞いたら月に300万円近いコストカットできているらしい。

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まさにブラック企業

利用者を安全な最前列に座らせ

飲み物を施設長、スタッフに配膳する私。

夜勤明けでまともに頭が働かず。

おぼつかない足取り奴隷のように働く。

「おい!酒がないぞ」
「バカ!俺は車で出勤しているんだぞ!ノンアルコールを持ってこい!なに!利用者が先?まずは俺から持ってこい!」
「アイスが食べたい!」
「ジュースが飲みたい!」
「ピッチャーで持ってこい!気が利かない奴め」
「バカなんでピッチャーで持ってくるんだ置き場がないだろうが馬鹿」

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「なに?今日は夜勤明け?そんなの関係ねーオッパッピー♪」

など、言われつつ罵詈雑言の

会場を忙しなく回っていると

ワタシ達の催しの番が回って来た。

パーティの催しものは、一回のパーティで

二つの施設が前偏と後編に分かれて行うことになっている。

会場に来たお客様を飽きさせない仕組みらしい。

私達の出番は後編で前半は他の施設が考えた催しものを発表していた。

利用者を連れてきて、みんなの前で歌を歌わせているのだ。

私が考えたものと同じものだった。

そりゃ、そうだ。

こんな北朝鮮の横暴の真似事みたいなパーティに

給料をピンハネされて、

つき合わされているのだから、少しでも効率的にと考えるのが人情だ。
 

『きっと私と同じようなタイプの人間が考えたんだろうな』

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親近感を覚えつつ。

前編の出し物が終わる。

そして、いよいよ。

後編の私達も出し物を披露する時がやってきた。

施設長。

利用者。

私は。

役員席の前に一列に並び演目を紹介。

私の役割は。

後列で背景と化してタンバリンを叩くという。

誰でも出来て誰もやらない仕事だ。

会場を見渡すと

なにも手伝わなかったスタッフ達が

酒をあおりながら、私を指さして笑ってる。

まぁ、いいけどね。

そんなことを思いながらも

パーティ会場全体を

俯瞰する余裕があったので

全体も見渡してみる。

みんな適当にアルコールが入っているので、催しなど、どうでもいいという様子だ。

そう!!

『どうでもいいことなのだ……』

AKBのイベントや

お笑い芸人の舞台でもあるまいし

嫌々で連れて来られて

誰が、こんな茶番を楽しみにするというのだろうか?

酒でも飲まないとやってられない心境はよく分かる。

そして、私は気付いてしまった……。

気付いてはいけないことに。

ふと、違和感を覚えて、後ろを振り向く。

 …
 ……
 …………

 ――後ろに誰もいない。

社長。以下、役員達が全員傍聴席にいないではないか?

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意味ないじゃん!!

なんのために!
 

なんだかんだで

社長や役員に

怒られないために

イベントを立案し

休日を犠牲にしたというのに

誰も観ていないではないか!

葛藤しながら

歌う利用者を盛り上げるため

背景として、怒りに任せてタンバリンを叩く私。

そして、瞬く間に私達の出し物は終わる。

イベントが終わると

施設長の指示で

車を回し利用者や酔っぱらい共を

乗せたてパーティの会場を後にする。
 
私は思った。

くどいようだが、思った。

もう一度、思った。

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 イミナクナイ?             

出し物はどこも似たようなものだし

観客は酒飲んで観てないし。

社長も役員も退席してるし。

私の努力って無駄じゃない。

帰りがけ疑問に思ったので、

施設長に聞いてみる。


すると施設長は、こう私に説いたのだった。

君。例え意味なくても、中身のない意味の無い出し物でも、することに意義はあるのだよ(笑)意味が無くても、利用者達の前でなにかをすれば、心になにか届く。いつか、思い出して良い思いでになり、その何かが社会を動かしていくんだ(笑い)

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 菩薩になれるわ!!

 帰館後。


催しも終わり、

利用者を施設に戻した後、

私はイベントの経費を

駐車場代金等を請求するために

施設長のデスクの前にいた。

施設長は蔑むような目で

僕をにらみ吐き捨てるように呟く。

「えー請求するの?」

請求するでしょ?普通?

帰宅後

私はTVのニュースチャンネルで

今日がハローウィーンだということを思い出した。

巷ではハローウィンだとか

コスプレだとかで盛り上がっているのに

私はなにをやっているのか?

介護職について十年。

私は年間の行事というものが

心の底から嫌いになっていた。

夏祭りや敬老会。

クリスマスなど聞くだけで身震いするレベルだ。

何故なら、

行事の度に

上記のような上司の

横暴やサービス残業に

振り回されるからだ。

いかがだっただろうか?

数年前の内容で。

やや、記憶に齟齬や誇張はあるが。

これが福祉業界でおこなわれる行事の一例だ。

冒頭でも述べたが。

他にも巷でなにか世俗的なイベントが

ある度に上記のような出し物を

施設内などでも強要されるのだから。

我々スタッフはたまったものではない。

今回はかなり、長くなったが

時節的に

ハロウィンネタを投稿するタイミングだったので

内容を区切らず、長文覚悟で一気に書いてみた。

これは。

私の介護人生のワンシーンに過ぎないが。

コロナでハロウィンに

参加できない方々も

一読でもして、笑って頂ければ幸いである。

「介護職員さん達もがんばってるのね」

くらい思ってくれれば、これに勝る喜びはない。

では、改めて、トリックオアトリート。またね。

どうだった?

だから。長いって。でも、これ、一部の人達の一部分を切り取った物語りじゃないの?

大抵のブラック企業の介護社員は、こんな感じだと思うよ。なにせ。この業界には人がいない。

さらに、理想を掲げる人達がジリ貧の業界を酷使するから。こんな状況になるんだと僕は思うよ。

ピエロってさ。世俗的なイベントに良い思い出ないでしょ?可哀そうだから。お菓子をあげましょう。

わぁ。ありがとう!!でも、できれば酒をくれ!強い奴。ロックでな。

酒でも飲まないとやってられないか。

sliced chocolate cake beside fork on plate

おしまい。

引用画像。

ドラゴンボール。ジョジョの奇妙な冒険。賭博黙示録カイジ。FGO(アニメ)。

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