「男が介護する」を読んでみた。

福祉
この記事は「男が介護する。津止 正敏 (著)」の読書感想文です。今の世代。男性、女性。分け隔てなく介護に携わる時代ですが。一昔前の世代にとっては介護は抵抗のあるものでした。この本は団塊の世代から上の世代をエールを送り激励する。男性介護者の入門書です。

ハッピー君。時代の違いを感じるの巻。

ピエロ。さっき利用者(男性)から、「お前、よくこんな、仕事ができるな。立派だな」とか言われたよ。なんでかな?

うーん。それはね。一昔前の男性は介護というのは女性がするもの。男は介護に関わらないって考えがあっつたんだよ。

ハッピー君も聞いたことくらいあるだろ?「男子厨房に入らず」みたいな格言を。

え?介護って日本の社会問題じゃん?みんなが共通認識で立ち向かう問題なんじゃないの?大人も子供もおねいさんもピエロも。男女平等で頑張る問題なんじゃないの?

そうだね。でも、昔から言われ続けたことを心から変えることは難しいんだよ。特に団塊世代あたりから上の世代の男性はね。

今日は、そんな世代にエールを送る新書。「男が介護する。津止 正敏 (著)」を紹介しよう。

  この記事の内容

男が介護するの要約。男性が初めて介護をする上で大事なことを紹介します。尚、本書の対象はプロの介護士ではなく、あくまで一般市民の介護初心者向けのものなので、技術的なことは触れられていませんでした。

介護は一人で抱え込むな!

Man, Headache, Frustration, Frustrated, Problems

この本の骨子となる部分は、「介護をする時は一人で抱えこまず、誰かに相談するべきだ」という主張だよ。

男性が介護をする際に

一番、注意しなければならないこと。

それは、「」という概念です。

「男なんだから、愚痴を言ってはいけない」

「男なんだから、弱音を吐いてはいけない」

「男は常に強くあらなければならない」

その手の古式ゆかしい考えに囚われて

相談できなくなること。

取り返しのつかない状況になる前に

相談することの大事さを

実例や経験談を踏まえて

繰り返し述べてます。

男は黙ってサッポロビール!!

まぁ、男としてみたいな風潮は今も残ってるよね。

本書の中で

入門書的な意味として

秀でている。と思った箇所は

男が介護をするのは

恥ずかしいことではなく

むしろ、カッコイイことだと

江戸時代の教育を踏まえて語ったり。

介護をする時代小説などを紹介して肯定的に

読者に伝えていることです。

たそがれ清兵衛とかがそれだね。

認知症への理解と苦しみを共有する。ということ。

person holding white saucer

認知症の家族をもつとどんな苦しみが出てくるのかを紹介し。そして、その苦しみを相談できる場に参加すると。どんな利点があるかも、書かれているのはこの本が入門書として優れている点だと思う。

  認知症を介護する家族の4つの苦しみ

①24時間。介護をして、気の休まることがない。②家庭生活が混乱してしまう。③先行きに大きな不安をもっている。④身近に、理解する人間が居なくて、孤立無援になってしまう。

本書は上記の内容を紹介しつつ。

この問題をコミュニティに入ることで

同じ苦労をしている人が沢山いることを知り。

先輩から知恵を学び、施設や事業所の情報を共有でき

自分は一人ではないと知ることができ。

認知症というものはみんな似たようなことをするものだと

分かるようになっていく。

と説いてます。

なんにしたって一人で悩むことは、あまりよろしくない。ということだね。

ピエロのまとめ

男が介護する上で重要なことは、男という概念に囚われて自分一人で抱え込まないこと。特に男性はこうあらねばならない。という考えは介護において危険。誰かに必ず相談して抱え込まないようにする。コミュニティに入る勇気をもって介護を頑張ろう。

男性が介護をする上では、どうしても、「男が何故。介護を?」って考えは社会に必ず存在している。

ピエロも男が介護する。ってことで、なにか言われたことがあるの?

それはあるよ。特に介護職にする場合。「女がするような仕事」と揶揄されたり。「男がそんな低賃金で恥ずかしくないのか?」って酷く馬鹿にされたもんさ。

僕が介護職に入社した当時は、「弱きもの汝の名は男なり」と言われたもんだよ。

へ、ヘミングウェイ?それって、どういうこと?

介護って女性社会だから(だったから)男に人権はない。女性の3倍は働けって意味だったよ。注※ピエロの職場の話です

まぁ、時代の移り変わりには、よくある話さ。これから、どんどん考え方が変わってくだろうしね。

そんなものかな?

 

そうさ。それが時代の流れというものなのさ。

最後に。

男の修行を謳った句を

読んでこの記事を

締めにしたいと思います。

悩みも苦しみも耐え忍んで。

苦しいこともあるだろう。

云いたいこともあるだろう。

不満なこともあるだろう。

腹のたつこともあるだろう。

泣きたいこともあるだろう。

これらをじっと堪えていくのが

男の修行である。

えーと。誰の句?

山本五十六。

 おしまい。

 ピエロのお勧め度・4☆☆☆☆★

介護初心者にはお勧めの入門書だと思う。介護技術云々ではなく。認知症の家族を持つ事の苦しみと介護に立ち向かう際の心構えを中心に書いてる点、困ったら相談することに重きを置いてる点は非常に評価できる。ただ、男が介護するの表題通り。男性が本書の主体になってる為、女性はとっつきにくい本になってる点はマイナス。男性でこれから介護に携わる前に、一度は目を通して欲しい一冊。

 引用画像

男が介護する。津止 正敏 (著)

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